「出っ歯を押してたら治った」そんな話を見聞きしたことがあるかもしれません。でもこの方法はとても危険で、出っ歯を治すには歯列矯正による適切な治療が必要です。
この記事では、出っ歯を押して治す危険性や、出っ歯になる原因、治療方法、出っ歯を治療するメリットなどを解説します。出っ歯を改善したい方は、ぜひ最後までご覧ください。
出っ歯を押していたら治った?その危険性について
「出っ歯を押していたら治った」という話をときおり見かけます。これには、出っ歯は気になるけれど、歯医者に通うのは負担と感じている方に多い傾向があります。
歯列矯正は、矯正装置を装着し徐々に歯を動かしていく方法のため、理論上は似ているように感じられますが、実際は異なります。歯と歯を支える歯槽骨(しそうこつ)の間には、2つを結びつける歯根膜がありますが、矯正治療では、骨の再生機能と、歯根膜の吸収機能を活用して歯を動かします。
例えば、右に矯正をかけると、右の歯根膜が縮み、左の歯根膜は延びます。縮んだ歯根膜がもとの厚みに戻ろうと歯槽骨を吸収すると、スペースができます。また、延びた歯根膜も元の厚みに戻ろうとし、生まれたスペースを埋めようと歯槽骨が再生しはじめます。
この再生と吸収を計算しておこなうのが歯列矯正です。一方、間違った方法で歯に力を与え続けると、歯の神経が死んでしまったり、歯根が折れたりする危険性があるため、出っ歯を自分で押して治す方法は推奨されていません。
出っ歯になる原因を知ろう
出っ歯は医学的に「上顎前突」と呼ばれており、上の前歯や骨が正常な位置よりも前方に突出している状態のことを指します。
上の前歯は下の前歯よりも2~3mm程度が理想とされており、4mm以上出ていると出っ歯の傾向があると診断されます。
出っ歯の原因は、先天性要因と後天的要因の2つに分けられ、先天性要因は遺伝を指します。歯の大きさや骨格が遺伝することで出っ歯になる場合があり、回避が難しく、基本的に外科的な手術が必要になります。
後天的要因には、指しゃぶりや爪噛み、口呼吸などが挙げられ、幼少期からの癖で出っ歯になることがあります。舌で前歯を押す、舌を噛むなどの癖も同様です。
出っ歯かどうか自分で確かめるには
出っ歯かどうか気になっている方はセルフ診断をしてみましょう。以下の方法で確認することができます。
まず、割り箸を用意します。
割り箸を鼻先と顎に沿わせます。ラインが一直線になれば理想的な口元です。
上唇がラインより前に出ていると、出っ歯の傾向があると考えられます。
自分の判断だけでは不安な方は、歯科医師に相談してみるとよいでしょう。
出っ歯の治療方法と費用の目安
出っ歯は、歯並びや噛み合わせが悪い状態「不正咬合」の一つです。出っ歯を美容整形で治療する方もいますが、見た目と噛み合わせの両方を改善するためには、美容整形ではなく歯列矯正が適切です。
ここでは3つの矯正方法をご紹介します。
ワイヤー矯正
金属製の矯正装置(ブラケットとワイヤー)を歯の表面に装着して歯並びを治す方法です。ワイヤーを通すため目立ちやすく、調整後に痛みがでる場合もありますが、適応症例が多いのが特徴です。
部分矯正か全体矯正かによって費用は異なりますが、表側矯正の費用相場は30万~100万円程度、裏側矯正の費用相場は100万~150万円程度が目安です。
ワイヤー矯正については以下もあわせてご覧ください。
歯列矯正のワイヤー矯正とは?仕組みやメリット・デメリット、マウスピース矯正との違いを解説
マウスピース矯正
「マウスピース」と呼ばれる透明な矯正装置を付けて歯並びを改善する方法です。オーダーメイドのマウスピースを作製し、歯の段階に合わせて矯正装置を交換しながら歯を動かしていきます。ワイヤー矯正よりも痛みが少なく、目立ちにくいといった特徴があります。
ワイヤー矯正と同様に、部分矯正か全体矯正かで費用が異なりますが、部分矯正の場合は10万〜40万円程度、全体矯正の場合は60万〜100万円程度が目安となります。
マウスピース矯正については以下もあわせてご覧ください。
湘南美容歯科のマウスピース矯正についてはこちら
セラミック矯正
セラミック矯正は、歯を削り上からセラミックの被せ物をすることで歯並びを改善する方法です。歯の大きさ・形・角度・位置・色・透明感まで細かく再現が可能です。自然な仕上がりで、金属アレルギーの方でも安心してできるのが特徴です。
本数や、質によって値段が異なり、1本数万から数十万する場合もあります。矯正の場合は、数本必要になってくるため、30万〜80万円程度が費用の目安となります。
セラミック矯正については以下もあわせてご覧ください。
セラミックの歯による治療とは?メリット・デメリット、料金や種類についてご紹介
出っ歯を治療するメリット
出っ歯を治療するメリットは、大きく分けて3つあります。
噛み合わせが整う
出っ歯は、上下の歯の噛み合わせを悪化させ、食べ物をうまく噛み切れない原因ともなります。噛み合わせが整えば、食べ物を均等にかめるようになり、顎関節症などの改善も見込まれます。
虫歯や歯周病の予防につながる
歯磨きがうまくできず、虫歯や歯周病になってしまった方も多いのではないでしょうか。治療で歯並びがよくなると、歯磨きがしやすくなり、口内トラブルの予防につながります。
見た目や滑舌に自信が持てる
出っ歯がコンプレックスで、「口元を見せて笑えない」「滑舌が悪い気がする」と感じている方もいます。矯正治療を受けると、見た目に自信が持てるようになるだけでなく、滑舌の改善にもつながります。
出っ歯を治療する際の注意点
出っ歯を治療する際は、次の3点に注意をしましょう。
治療期間や内容によって費用がかかる
出っ歯を矯正するには、治療前の検査期間、矯正装置を装着して歯を動かす期間、治療後の保定期間、定期的な通院などが必要です。
また、自費診療になるため治療費用も決して安くはありません。歯科クリニックでのカウンセリングを活用し、慎重に検討しましょう。
治療方法によっては矯正装置が目立つ
出っ歯を矯正したいけれど、矯正装置の見た目が気になる方は、マウスピース矯正やセラミック矯正がおすすめです。特にマウスピース矯正は、装置が透明で目立たず、食事の際は取り外せるため、接客業や営業職などの対面が多い職種の方にも適しています。
それぞれのメリット・デメリットをよく把握し、適切な治療方法を見つけましょう。
治療で痛みを感じる可能性がある
歯列矯正では歯に力を加えて動かすため、どの治療方法でも痛みが生じる可能性があります。
特に痛みが苦手な人は、ワイヤー矯正よりもマウスピース矯正やセラミック矯正が適しているでしょう。また、痛みが気になる場合は医師に相談をしてみましょう。
まとめ
歯の神経が死んだり、歯根が折れたりする危険性があるため、出っ歯を指や舌で押して治すのは危険です。出っ歯を治療したいのであれば、歯列矯正による適切な治療をおすすめします。
出っ歯を治療すると、噛み合わせが整う、口内トラブルの予防につながる、見た目や滑舌のコンプレックスが軽減するなどのメリットがあります。ただし、長期的な治療が必要で、内容によっては費用が高くなったり、治療方法によっては矯正装置の目立ちや痛みが気になったりするかもしれません。
治療で後悔しないために、まずは歯科クリニックでカウンセリングを受けてみましょう。予算や悩みに合わせた最適なメニューを提案してもらえます。
湘南美容歯科でも無料カウンセリングを実施しています。「自分は出っ歯なのか」「どのような治療が適しているのか」など知りたい方は、ぜひお近くの湘南美容歯科にご相談ください。
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