重度の症例も矯正できるマウスピース矯正。

マウスピース矯正では歯並びを整えることが主な目的ですが、その後の顔全体の印象も変わるのでしょうか?

この記事では、マウスピース矯正によって変化が期待できる顔の印象や、実際の症例写真をもとに変化について解説します。

そもそもマウスピース矯正とは

マウスピース矯正の仕組み

マウスピースで歯が動くのは骨の代謝が関係しています。
歯を支える歯槽骨という骨は​​力を加えられると少しづつ変形していきます。そうすると骨芽細胞と破骨細胞が活性化され、すき間ができたほうには新たな骨が作られ、押し付けられたほうでは骨を溶かし始めるのです。

歯の構造

このように、マウスピースを装着することで歯に力が加わると、骨芽細胞と破骨細胞の働きによって歯が少しずつ動くのです。

マウスピース矯正の目的

マウスピース矯正は、歯並びや噛み合わせの改善が目的です。
歯並びによって口が閉じにくい状態が続くと、常に口のなかが乾燥して雑菌が繁殖しやすくなります。マウスピース矯正で歯並びを改善することで、虫歯や歯周病のリスクを防ぐこともできるのです。

マウスピース矯正で顔の印象は変わる?

マウスピース矯正は、アライナーと呼ばれる矯正装置を使用して歯を動かす歯列矯正です。歯を少しずつ動かして、理想の歯並びに近づけます。そのため、整形手術のように顔の形が大きく変わる可能性は低いです。ただし、歯並びと噛み合わせがよくなることで顎のバランス、顔全体の歪みが改善され、顔の印象が変わる可能性があります。

出っ歯や受け口、叢生(歯並びがガタガタ)だとどうしても見た目が悪くなってしまうため、人前に出るのが苦手になり行動が消極的になりがちです。歯並びを改善することで自分に自信が持てるようになり、人に与える印象もよくなります。

マウスピース矯正で期待できる顔の印象の変化

横顔がキレイになる

歯並びが悪いと下顎や前歯が突出して横顔のバランスが悪くなってしまいます。横顔の美しさの指標であるEラインでは、鼻先と顎の先を直線で結んだ線のなかに口が少し内側に入るか同じくらいが理想的といわれています。歯の並び方や傾斜に問題がある場合、マウスピース矯正で出っ歯や受け口を改善することで、Eラインがキレイに整い美しい横顔に近づくことができます。

Eライン

口が自然と閉じるようになる

上顎前突といういわゆる出っ歯といわれる不正咬合の場合、口元が前に突き出してみえる状態が起こりやすいです。口元の突出感によって口が閉じにくくなると常にぽかんと口が開いた状態になります。
マウスピース矯正によって歯並びを改善することで、自然と口が閉じた状態になり、人によっては顔の印象が変わります。

輪郭がスッキリすることによって小顔になる

輪郭がスッキリしない原因には、筋肉の発達と骨格の2つがあります。1つ目は咬筋という咬むときに使われる筋肉が発達することにより輪郭がスッキリしない原因です。噛み合わせが悪いと歯ぎしりが多くなり、咬筋が発達する原因となります。
マウスピース矯正によって歯並びを改善することで、歯ぎしりがなくなり輪郭がスッキリし、小顔効果を得られる可能性があります。

ただし、骨格が原因となり輪郭がスッキリしない場合は骨を削らないといけないため、歯並びを整えるマウスピース矯正では改善されません。

マウスピース矯正で顔の印象が変わったと感じやすい人

出っ歯の方

マウスピース矯正による出っ歯の症例写真
出っ歯とは上の前歯が前方に突出している歯並びのことをいい、口元突出や上顎前突とも呼ばれています。子供のときの習慣や骨格のバランスなどが原因とされており、口が閉じづらかったり、口元が膨らんで見えたりする場合があります。

骨格に問題がない、軽度の症例の場合はマウスピース矯正で治療が可能です。上顎の突出が改善されEラインがキレイになることで、顔の印象が変わったと感じやすいでしょう。

受け口の方

マウスピース矯正による受け口の症例写真
受け口とは下の歯が上の歯より前に出ている噛み合わせのことをいい、反対咬合や下顎前突とも呼ばれています。受け口の場合、しゃくれているように見えることがあり、横顔の見え方に影響が出ます。

軽度の受け口であればマウスピース矯正で治療が可能です。顔周りのもたつきが整うことで、出っ歯と同様Eラインがキレイに見えます。

すきっ歯の方

すきっ歯の症例写真
すきっ歯の症例写真
すきっ歯とは歯と歯の間にすき間がある状態をいい、空隙歯列とも呼ばれています。見た目に悪影響を与えるだけではなく、虫歯や歯周病の原因になったり、発音が難しくなったりもします。

すきっ歯はマウスピース矯正が適している症例のひとつです。顔の輪郭に大きな変化はありませんが、笑ったときなどの印象がよくなります。

マウスピース矯正で変化しない顔のパーツ

歯のサイズ

マウスピース矯正によって歯のサイズを変えることはできません。ただし、歯並びを矯正することでバランスが整い、歯のサイズが変わったように見えることがあります。

骨格

マウスピース矯正によって歯並びが整うことで、口元や輪郭の変化は期待できますが、骨格を変えることができません。

マウスピース矯正の顔に関するよくある質問

顔がたるむ可能性はある?

マウスピース矯正によって顔がたるむことはありません。ただし、歯によって頬の皮膚が引っ張られていることがあり、歯が本来の位置に移動することで矯正前と比較するとたるんで見えてしまう可能性があります。そのため、理想の歯のバランスについて事前に医師とすり合わせましょう。

口元が下がって見えることはある?

抜歯をともなう矯正の場合、歯を抜いたスペース分口元が下がって見える可能性があります。治療後に口元が下がって見えるかどうかは、歯並びや口元の状態によって異なります。不安な方は、事前に医師に相談してみましょう。

口元が伸びて見えることはある?

マウスピースを装着していると、マウスピースの厚みで口元が伸びたように感じる可能性があります。しかしマウスピースはとても薄いため、口元が伸びて見えることはありません。
ただし、過蓋咬合と呼ばれる、噛み合わせが深く噛んだときに下の歯が見えない歯並びの方が矯正治療をした場合、嚙み合わせが正しくなることで口元が伸びて見える場合があります。

まとめ

マウスピース矯正によって、顔の印象は変わるのかを解説しました。

マウスピース矯正は、歯を少しずつ動かして理想の歯並びに近づける治療方法であるため、整形手術のように顔の形が大きく変わることはありません。ただし、歯並びや噛み合わせを整えることで、顎のバランスや顔全体の歪みが改善され、顔の印象が変わる可能性があります。

出っ歯や受け口、すきっ歯の方は顔の印象が変わったと感じやすく、横顔がキレイになったり、口が自然と閉じるようになったりします。また、輪郭がスッキリすることによって小顔になったりすることがあります。

ただし、マウスピース矯正は歯並びを整える治療方法であるため、それによる口元や輪郭の変化は期待できますが、歯のサイズや骨格を変えることはできません。

自分の悩みやコンプレックスをマウスピース矯正で改善できるのか、まずはお気軽にご相談ください。

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