歯並びは歯や顎の健康維持、食事や発音のしやすさなど、健康に大きく関わるため、理想的な歯並びには一定の基準があります。また歯科医師はその基準にしたがって診断や治療を進めます。
本記事では、理想的な歯並びの特徴や健康面への影響などを詳しくご紹介します。
理想の歯並びとは
理想的な歯並びとは、「歯列全体が整っていること」と「噛み合わせに問題がないこと」の2点が基本となります。歯が均等に並び見た目にも美しいアーチを形成し、また上下の歯が適切に噛み合っていて、噛んだときにの負荷が均等にかかる状態です。
歯列矯正では、この状態を目指して歯並びや噛み合わせを整えていきます。また診断時や経過観察時、治療完了時にはもう少し細かい観点から歯並びや噛み合わせを確認します。
理想の歯並びの特徴を詳しく解説
「理想の歯並び」について、見た目および噛み合わせの観点からの特徴をご紹介します。
上下の前歯に正中線が通っている
歯並びが整っている状態では、歯を正面から見た際に上前歯と下前歯の中央に縦の線が通ってます。また、この線は顔の正中線と一致しています。
上前歯の先端がラインを描いている
上前歯は、先端がややラインを描いて揃っている状態が理想です。一直線になっているわけではなく、中央の歯と犬歯の先端が同じくらいにあり、2番目の歯がその少し上くらいにあるバランスが理想的です。また、歯と歯の間に隙間がないことも大切です。
上の奥歯が少し外側にある
奥歯の位置は、正面から見た際に上の奥歯が少し外側にあることがよいとされます。少し外側にあることで、上下の歯を噛み合わせたときに上の臼歯の凸部分が下の臼歯の溝に重なります。
歯のアーチがUの字を描いている
口を開けたときの歯列のカーブも大切な観点です。Uの字のアーチを描いていることがよいとされています。Uの字のほかには、顎が小さい方に見られるV字型、顎が大きい方に見られる方形型などがあります。
上下の前歯が適度に重なっている
噛み合わせの評価では、上下の前歯の重なりをチェックします。上前歯が下前歯に重なっており、かつ重なりが2〜3mm程度に収まっていることが理想的です。また上前歯と下前歯が密着しておらず、2〜3mm程度の隙間があることも条件のひとつです。
左右の奥歯が均等に噛み合っている
奥歯の噛み合わせが左右とも均等に噛み合っている状態です。具体的には、上の歯の凸部分が下の歯の溝に重なり、食べ物をしっかりと噛むことができるような状態です。
ガムラインが見えすぎない
上唇と上前歯の生え際の間に形成されるラインを「ガムライン」と呼びます。ガムラインが適度に出ている状態だと、歯並びがきれいに整っている印象になります。
歯並びが見た目や健康に与える影響
歯並びは見た目の美しさだけでなく健康にも大きな影響を与えます。理想的な歯並びは見た目の印象を良くし、口腔内の健康を守るためにも重要です。
きれいな歯並びは好印象を与えやすい
整った歯並びは第一印象を良くする重要な要素です。歯並びがきれいだと、上品で清潔感のある印象を与えやすいため、笑顔に自信を持つことにつながります。
これまで自分の口元や笑顔に自信の持てなかった方が、歯列矯正を経て人前で笑うことに抵抗がなくなったというケースもあります。
きれいな歯並びは健康にもよい
きれいな歯並びは、長期的な健康を維持するために重要な要素でもあります。噛み合わせが正しく機能するため、食べ物を効率よく噛むことができ、また歯の一つひとつに均等に力がかかるため顎への負担も抑えられます。
歯と歯の隙間が適切に保たれることで歯垢が溜まりにくくなり、虫歯や歯周病のリスクも軽減します。
歯並びが乱れる要因
歯並びが乱れる原因は、大きく分けて「生まれつきの要因」と「生活習慣による要因」があります。ここでは、それぞれの要因について説明します。
生まれつきや遺伝
歯並びは遺伝の影響を受けることがあります。顎の大きさや上下のバランス、歯の大きさ、また歯の生える向きや位置などが遺伝的要因によってアンバランスになっていると歯並びが乱れます。
例えば、顎が小さく歯が大きいというケースでは、スペースが足りずに歯が重なりやすくなります。また逆に顎に対して歯が小さい場合はすきっ歯になりやすいです。
子どもの頃の習慣
幼少期の習慣は、歯並びの形成に影響を与えます。例えば、指しゃぶりや舌で前歯を押す癖があると、前歯が前に出てしまうことがあります。
また、口呼吸が習慣化すると、舌の位置が下がり、顎の成長や歯並びに影響を与えることがあります。
食いしばりや普段の姿勢
大人になってからも歯並びが少しずつ変化することがあります。無意識に食いしばる、または片側だけで噛む癖があると、特定の歯や顎に負担がかかり、噛み合わせが変わることがあります。
猫背などの姿勢の悪さも顎の位置に影響を与え、歯並びに影響を及ぼすことがあります。
親知らずの生え方
親知らずが斜めに生えてくると、隣の歯を押してしまい歯並びが乱れる原因となることがあります。また親知らず自体が虫歯や歯周病になったり、周囲の歯を虫歯にしたりすることで歯の健康を乱すこともあります。
親知らずが気になる方は、歯並びに影響しないか診察を受けることをおすすめします。
理想的な歯並びに歯列矯正で近づける?
歯並びが気になる方にとって、歯列矯正は理想的な歯並びを手に入れるための有効な手段です。お子さんだけでなく大人も治療可能で、見た目だけでなく噛み合わせの改善にもつながります。
子どもは歯が動きやすいため、早期に矯正を始めると理想の歯並びに近づけやすくなります。しかし大人になってからでも諦める必要はありません。
歯列矯正にはワイヤー矯正やマウスピース型矯正があり、治療期間には個人差がありますが数ヵ月から2〜3年で歯並びを整えられます。
歯列矯正の主な種類をご紹介
歯列矯正には、ワイヤー矯正・マウスピース矯正・セラミック矯正の3種類があります。当クリニックではマウスピース矯正とセラミック矯正を取り扱っております。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯の表面に装着したブラケットにワイヤーを通し、ワイヤーの圧力によって歯を少しずつ動かす矯正方法です。
対応可能な症例の幅が広い一方で、装置が目立ちやすくまた歯磨きなど日頃のケアが難しいといったデメリットがあります。
マウスピース矯正
マウスピース矯正では、取り外し可能なマウスピース型の装置を用いて矯正を進めます。歯並びの状態や進行具合に応じ、適宜マウスピースを交換しながら歯を少しずつ動かしていきます。
装置が透明なため目立ちにくく、取り外し可能なため食事がいつも通りとれることがメリットです。主なデメリットは、自己管理を怠ると治療が効果的に進まなくなる点です。マウスピース矯正は1日あたり20〜22時間以上の装着時間を守ることを前提に治療計画が立てられます。
セラミック矯正
セラミック矯正は、もともとある歯を削り、その上からセラミック製の歯を被せて歯並びや見た目を整える方法です。ワイヤー矯正やマウスピース矯正に比べ短期間で治療を終えられることがメリットです。
ただし健康な歯を削る必要があるため、歯の寿命を縮める可能性があることがデメリットといえます。
まとめ
理想の歯並びの基本は「歯列全体が整っていること」と「噛み合わせに問題がないこと」の2点です。
歯を正面から見た際に上前歯と下前歯の中央に縦の線が通っていることや、口を開けたときの歯列がUの字のアーチを描いていることがよいとされていることなどが、理想の歯並びの特徴となっています。
また、歯並びや見た目の印象にも影響するだけでなく、歯の健康にも関係しています。理想の歯並びを手に入れるためにも、まずはクリニックで相談してみてはいかがでしょうか。
歯並びや噛み合わせに気になる点がございましたら、当クリニックにいつでもお問い合わせください。
湘南美容歯科の歯列矯正についてはこちら >
※本記事の内容は公開時点の情報であり、実際のメニュー名や金額とは異なる場合がございます。
最新の情報については当院までお問い合わせください。