歯並びが悪い原因や放置するリスクとは？治療法や症例を紹介

「歯並びが悪い」といっても、その程度や状態はさまざまです。気になってはいるものの、治療に踏み出せない方も多いかもしれません。しかし、歯並びの乱れは見た目の問題だけでなく、身体の健康にも影響を及ぼす可能性があります。

本記事では「歯並びが悪いかも」と気になり始めた方に向けて、悪い歯並びの種類や原因、放置するリスクを詳しく解説し、歯並びを治す方法を症例とともにご紹介します。

悪い歯並びの種類

「歯並びが悪い」状態とは、歯が正常に並んでおらず、凸凹・重なり・すき間・前後のズレなどがあることを指します。不正咬合（噛み合わせが合っていない状態）のひとつで、見た目だけでなく身体にさまざまな影響を及ぼすことがあります。

ここでは、代表的な悪い歯並びの例をご紹介します。

出っ歯（上顎前突）

出っ歯は、上の前歯が突出している状態の歯並びです。日本人に多いとされており、上顎前突とも呼ばれます。上顎自体が骨格的に突出している場合は、外科的な手術を要することもあります。

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受け口（反対咬合・下顎前突）

受け口は、上下の歯の噛み合わせが反対になっており、下顎が前に突出している状態の歯並びです。下顎前突や反対咬合とも呼ばれます。横から見ると下顎が前に出て、しゃくれて見えることもあります。

出っ歯と同じく、下顎自体が骨格的に突出している場合は、外科的な手術で治療する場合があります。

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口元の突出感（上下顎前突）

上下の歯が前方に突出し、口元にふくらみがある状態の歯並びです。上下顎前突と呼ばれます。唇を自然に閉じることが難しく、横から見ると口元にこんもり感があるのが特徴です。

すきっ歯（空隙歯列）

すきっ歯は、歯の間にすき間が生じている状態の歯並びです。空隙歯列（くうげきしれつ）とも呼ばれます。

歯が小さい、歯の本数が少ないなどが原因で生じる場合があります。特に前歯にすき間が生じやすく目立つため、コンプレックスに感じる方も少なくありません。

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八重歯・ガタガタの歯（叢生）

八重歯やガタガタの歯は、歯が前後に重なっていたり、犬歯が飛び出していたりする状態の歯並びです。

叢生（そうせい）や乱ぐい歯とも呼ばれます。特に歯が重なっている箇所は、歯磨きやフロスが難しいことで磨き残しが多くなり、口腔内トラブルの原因になる場合もあります。

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開咬（オープンバイト）

開咬は、前歯などの一部の歯が噛み合わず、口が開いたままの状態になる歯並びです。オープンバイトとも呼ばれます。

噛み合わせが合わないことで、一部の歯に負担が強くかかり、痛みを感じる場合もあります。また、食事の際に前歯で噛み切れない、無意識に口が開いてしまう、口の中が乾燥するなどの問題も生じやすいとされています。

過蓋咬合

過蓋咬合は、噛み合わせが深いため、上顎の歯が覆いかぶさり、下顎の歯がほとんど見えない状態のことです。必要以上に深く噛んでしまうため、歯がすり減ってしまう場合があります。

歯並びが悪くなる原因

歯並びが悪くなる原因には、大きく分けて「先天的な要因」と「後天的な要因」があります。それぞれ詳しく解説します。

先天的な要因

顎・歯の大きさや骨格などは親からの遺伝であり、先天的に歯並びが悪くなる場合があります。歯並びが悪い親を持つ子どもは、そうでない場合と比べて歯並びが悪くなりやすい傾向にあるとされています。

ただし、遺伝が歯並びに与える影響は数%程度と低く、あくまで可能性の話であり、絶対的ではありません。そのため、歯並びに与える影響は、後に述べる後天的な要因（生活習慣など）の影響が大きいとされています。

後天的な要因

後天的な要因には、子どもの頃からの習慣や発育の状態、口腔環境などが挙げられます。

習慣や癖

幼少期からの習慣や癖によって、歯や顎に負担をかけてしまい、歯並びが悪くなる場合があります。例えば、指しゃぶり・爪噛み・頬杖・舌で歯を押すなどの口周りの癖が挙げられます。

幼少期の指しゃぶりやその他の癖は、早い段階で改める必要があります。

顎の発育遅れ

やわらかい食べ物や偏りのある食事によって、噛む習慣が十分に身につかず、結果として顎の発達が遅れてしまうことがあります。

顎が十分に成長せず小さいままだと、歯が並ぶスペースが不足し、歯が重なりガタガタになってしまったり、八重歯になったりする可能性が高まります。

虫歯や歯周病

虫歯や歯周病によって歯の欠損や痛みが生じる場合、左右のバランスが悪くなったり、不均等な噛み癖がついたりすることがあります。歯抜けして空いたスペースに隣の歯が動くこともあり、これらが原因で歯並びが悪くなる可能性があります。

虫歯や歯周病はそのままにせず、早期の治療が大切です。

悪い歯並びを放置するリスク

歯並びは見た目だけでなく、口腔内のトラブルを引き起こしたり、身体の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。悪い歯並びを放置すると生じるリスクを解説します。

虫歯や歯周病になりやすい

悪い歯並びは、歯石や食べかすが溜まりやすいうえに磨きづらいため、磨き残しが増えてしまいます。

そのため、普段の歯磨きだけでは十分に汚れを落としきれず、蓄積した汚れが虫歯や歯周病の原因となる場合があります。

顎関節に痛みが生じる

噛み合わせが悪いと、顎や首周辺の筋肉に負荷がかかる場合があります。顎や首周辺の筋肉の緊張が続くと、肩こりや顎関節の痛みが生じたり、頭痛を引き起こすケースもあります。

重症化すると顎関節症を発症するリスクも高まるため、早めに噛み合わせの改善が必要です。

滑舌が悪くなる

すきっ歯が目立つ歯並びの場合、滑舌が悪くなる可能性があります。歯と歯の間から空気が漏れることで、特定の音（特にサ行やタ行）が発音しにくくなることもあります。

発音が不明瞭になり、うまく伝わらないことでコミュニケーションにストレスを抱える方も少なくありません。

咀嚼がしづらくなる

噛み合わせが悪いと、食べ物が噛み切れなかったり、しっかり咀嚼できなくなったりします。特に開咬（オープンバイト）などの歯並びは、食べ物が噛み切れず、食事中の不便さにストレスを感じることもあるでしょう。

食べ物をしっかり噛めないと消化機能にも負担がかかる場合があり、身体にも悪影響を及ぼすリスクがあります。

口元がコンプレックスになる

歯並びの悪さや口元の突出感が気になり、コンプレックスを抱える方は少なくありません。周囲の視線を過剰に意識したり、口を開けることに抵抗を感じたりするなど、心理的なストレスにつながることがあります。

また、人によっては対人関係や仕事で自信を失い、物事に積極的になれなくなるなど、精神面に支障が出るケースもあります。

悪い歯並びを治す方法

悪い歯並びは、自力で治療できません。特に大人になってからは、顎や歯の成長も止まっているため、癖や習慣を改めるだけで改善することは困難です。

悪い歯並びは、歯列矯正で治療が可能です。矯正の方法は、主に「ワイヤー矯正」「マウスピース矯正」「セラミック矯正」があり、治療期間や費用も異なります。

ワイヤー矯正

ワイヤー矯正（表側矯正）は、ブラケットという金属製の矯正装置を付け、力を加えながら歯を動かして歯並びを整える方法です。全体矯正の場合、治療期間は2年ほどかかります。

重度の歯並びでも対応できること、着脱できないため自己管理が不要な点はメリットとなります。ただし、食べ物が挟まりやすく、歯磨きがしづらい点や、人によって矯正装置の見た目が気になるなどの点がデメリットといえます。

マウスピース矯正

マウスピース矯正は、アライナーという透明な矯正装置を装着して歯を少しずつ動かす方法です。治療計画をもとに、歯の動きに合わせてアライナーを交換、調整していきます。奥歯を含む全体矯正の場合は、3ヵ月〜2年程度の治療期間がかかります。

透明な矯正装置であるため口元が目立たず、周囲に気付かれにくいのが特徴です。簡単に取り外しができるため、食事も普段どおり楽しめます。取り外して歯のケアができるため、虫歯や歯周病にもなりにくいでしょう。

一方で、装着時間が足りないとうまく矯正ができないため、装着時間を厳守する必要があります。

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マウスピース矯正の症例（八重歯／口元の突出感）

症例：八重歯

症状：口元の突出感

セラミック矯正

セラミック矯正は、歯を削って被せ物をして歯並びを整えながら、形や色、透明感なども改善できる方法です。白さや光の透過性に優れたセラミック素材を使用することで、天然歯のような自然な色味も再現できます。他の矯正方法と異なり歯を動かす必要がないため、治療期間は数ヵ月程度と短期間です。

矯正装置を付ける必要がないため、矯正中の煩わしさや痛みはありません。治療期間が短く、歯並びだけでなく白さや形までこだわることが可能です。
ただし、被せ物をするために歯を削る必要があり、場合によっては神経治療や抜歯も必要になります。

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セラミック矯正の症例（出っ歯／すきっ歯）

症状：出っ歯（上顎前突）

症状：すきっ歯（空隙歯列）

まとめ

歯並びが悪いと見た目が気になるだけでなく、身体の健康にも影響を及ぼす可能性があります。特に噛み合わせが合わないと、顎や首周辺の筋肉に負荷がかかり、痛みが生じたり、頭痛の原因になったりします。放置していると思いもよらない身体の不調につながるリスクもあるため、早い段階で矯正治療を検討してみましょう。

湘南美容歯科では、軽度〜重度の症例まで、幅広く対応できる矯正治療をご用意しています。多くの症例は、当院できれいな歯並びに改善可能です。
歯並びが気になる方は、まずはカウンセリングにてお気軽にご相談ください。
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