マウスピース矯正は、透明で目立たないという点から、人気が集まっている歯列矯正の1つです。
この記事では、マウスピース矯正による歯の移動メカニズムと、歯並びを良くすることで得られるメリットについて詳しく解説します。
目次
マウスピース矯正で歯が動く仕組み
マウスピース矯正では、歯に対して段階的な力を加えることで歯を動かします。各マウスピースは、歯を理想的な位置に少しずつ移動させるために設計されています。
そのため、数週間ごとに新しいマウスピースに交換し、その都度微妙な調整を行いながら歯を動かします。
この力の変化は歯周組織に影響を与え、力が持続的にかかることで骨が再生され、歯が新しい位置に固定されます。
マウスピース矯正における骨と歯根膜の役割
歯肉の中には「歯槽骨」という歯を支える骨があります。また、歯槽骨と歯根の間に繊維状の「歯根膜」と呼ばれる組織があります。
歯根膜は歯に衝撃が加わった際に衝撃を和らげ、矯正器具をつけると弱い力が歯根膜にかかります。この力が常にかかっていると骨芽細胞と破骨細胞が活性化され、新たな骨が作られます。骨の生成に関係する細胞の一つである骨芽細胞は、力が加わった歯の反対側に新たに骨を作り、破骨細胞は力が加わった側の骨を溶かし始めます。
このように、骨芽細胞と歯骨細胞の働きによって歯が少しずつ動いていきます。矯正器具で歯を矯正するというと器具で圧力をかけて無理矢理歯を動かしていると思っている方もいるかもしれませんが、そうではないのです。
歯が1ヶ月に動く量
歯が1カ月に動く量はわずか0.3㎜~0.5mmと非常に小さいです。歯の凹凸は平均4.0㎜くらいあるため、1本の歯を動かして正常な位置まで移動させるには、およそ1年かかる計算になります。
また、1つのマウスピースで歯を移動させられる量は最大で1㎜のみであり、1㎜動いたらそのマウスピースでは歯に力を加えることができません。そのため、歯が1㎜動いたらマウスピースを交換する必要があります。
マウスピース矯正のメリット
マウスピース矯正によるメリットとして、目立ちにくいことがあげられます。透明なマウスピースを使用するため、矯正中であることがほとんど目立たず、仕事や社交場面でも気にせず使用できます。
また、食事や歯磨きの際に簡単に取り外せるため、口腔内を清潔に保ちやすいです。さらに、従来矯正よりも比較的痛みが少なく、短期間効果が得られることもメリットのうちのひとつです。
金属を使用しないため、金属アレルギーの心配もありません。
マウスピース矯正のデメリット
マウスピース矯正は、複雑な歯並びや重度の噛み合わせの問題には対応できないことがあります。
また、費用が従来のワイヤー矯正よりも高くなるケースも多く、予算に制約がある方にとっては負担となることがあります。
さらに、食事や歯磨きの際に毎回取り外す必要があり、装着時間を守らないと治療が長引くだけでなく、十分な効果を得られない場合があります。
マウスピース矯正の施術の流れ
マウスピース矯正は、当院の場合、主に以下の流れで治療をおこないます。
- 無料カウンセリング
- 診察・検査
- 治療開始
- 経過観察
診察・検査までは当日、治療開始はマウスピースの製作期間があるため、約3週間後が目安です。
また、以降は1~2か月のペースで通院いただき、歯の動きの確認やマウスピースの交換をおこないます。(マウスピースの交換は1~2週間が目安)
そもそも歯並びを良くするメリットとは?
歯の矯正は歯並びを良くするために行いますが、歯並びを良くするメリットは何でしょうか。
まず、口腔内の健康を守る点では、出っ歯などによる口の乾燥が減り、唾液の殺菌作用が働くことで虫歯や歯周病のリスクが軽減されます。
そして、全身の健康にも影響があり、歯並びの悪さによって起こっていた肩こりや頭痛が改善されます。
さらに、見た目の改善によって自信をもつことが出来るでしょう。
まとめ
マウスピース矯正は、段階的に歯に力をかけて歯を動かし、各マウスピースは少しずつ歯を理想の位置に移動させるためにデザインされ、定期的に交換しながら歯並びを整えていきます。
マウスピース矯正は、見た目に目立たず、取り外しが容易で、痛みが少ないなどのメリットがありますが、複雑な症例には不向きで、費用がかかる場合もあります。
マウスピース矯正でお悩みの方は、お気軽に当クリニックまでご相談ください。
※本記事の内容は公開時点の情報であり、実際のメニュー名や金額とは異なる場合がございます。最新の情報については当院までお問い合わせください。