矯正治療が終わったからといって、歯並びがずっとそのまま維持されるわけではありません。矯正治療後は、リテーナーの装着が必須となります。
しかし、「リテーナーはいつまで付ければいいの?」「つけ忘れたらどうなる?」と疑問に思う方も多いでしょう。
本記事では、リテーナーの必要な装着期間や、つけ忘れた場合の対処法について詳しく解説します。
矯正後にリテーナーを付ける理由
リテーナーは、矯正後に必要になる保定装置です。マウスピースタイプ・プレートタイプ・ワイヤータイプなどの種類があり、矯正装置と非常に似ていますが、その目的や効果は異なります。矯正装置は歯を動かすためのものですが、リテーナーは歯を固定するためのものです。
矯正後は歯が動きやすく、後戻りのリスクがあり、リテーナーを装着することで歯列を固定し、後戻りを防ぐことができます。リテーナーは歯列矯正の最後の仕上げとして、重要な役割を果たしているのです。
リテーナーについて詳しく知りたい方は以下のページもあわせてご覧ください。
歯列矯正後に使うリテーナーとは?種類や装着期間、注意点を解説
リテーナーはいつまで付ける?
リテーナーには、保定期間が設けられています。歯並びを維持するために装着しておくべき最低限の装着期間です。以下で詳しく解説します。
保定期間の目安は2年
保定期間はクリニックによって異なりますが、おおむね2年間とされています。ただし、重度の症例や矯正期間が長かった場合は、この限りではありません。
あくまで目安の保定期間であり、保定期間は患者さまによって異なります。そのため、正確な期間は担当医に確認をしましょう。
装着時間の目安は20時間
1日に必要な装着時間の目安は20時間です。食事以外は、基本的にずっと付ける必要があります。
ただし、およそ半年経過後からは、就寝時のみの装着に調整も可能です。歯の状態を診察して医師が判断するため、自己判断で装着時間を短くするのは禁物です。
保定期間後も付けるのが理想
加齢・食事の癖、歯ぎしりなどが原因で、歯は一生動き続けるといわれています。そのため、保定期間のあとも、できる限りリテーナー装着を継続することが理想的です。きれいな歯列を維持するため、装着時間を調整しつつ、無理のない範囲で継続しましょう。
クリニックによって装着期間や目安時間は異なりますが、例えば湘南美容歯科では、装着期間半年間は1日20〜22時間以上を目安としています。半年~2年は夜間のみとなっており、可能であればリテーナーは装着し続けることを推奨しています。
リテーナーを付けるときの注意点
リテーナーは正しく装着しないと、後戻りを引き起こす可能性があります。保定期間中、注意するべきポイントを押さえておきましょう。
装着時間を厳守する
後戻りを引き起こしてしまう最大の原因は「装着時間不足」です。特に保定治療を始めてから半年は、1日20時間の装着時間を厳守しましょう。
なお、取り外しが必要ない固定式のリテーナーもあります。ただし24時間装着することになるため、口腔ケアがしづらくなるのが難点です。リテーナーを選ぶ際は、慎重に検討する必要があるでしょう。
リテーナーを清潔に保つ
リテーナーを不衛生に使っていると、虫歯や歯周病、口臭の原因になります。特に付けたまま飲食することで、リテーナーが破損してしまったり、口腔内に汚れが溜まりやすくなります。溜まった汚れが原因で、虫歯や歯周病などにつながるため、飲食時や歯磨きの際は必ず取り外し、その都度リテーナーも洗浄するようにしましょう。
リテーナーの紛失・破損を防ぐ
リテーナーは壊れやすいため、使用しない間は専用のケースに入れて保管しましょう。気軽に着脱ができることがメリットですが、同時に破損や紛失のリスクもあるといえます。
破損・紛失した場合、リテーナーの作り直しで費用がかかり、またその間に装着時間が足りずに後戻りが生じる可能性もあります。
紛失・破損を避けるためにも、管理には十分注意を払いましょう。
定期的にクリニックで健診を受ける
医師の指示にしたがって、経過を確認するために定期的な健診を受ける場合があります。医師に歯の状態をチェックしてもらうことで、何らかの原因で生じた歯列の戻りや噛み合わせのズレに対しても軌道修正が可能です。
またリテーナーの状態も確認してもらえるため、破損が見られた場合も修理や交換が可能です。
リテーナーをサボった場合のリスク
装着時間が重要であることは承知の上で「付けずに寝てしまった」「旅行先に持って行き忘れた」といった、うっかり忘れるケースも考えられます。
リテーナーの装着を怠ってしまった場合、以下のようなリスクが考えられます。
装着時に痛みが生じる
リテーナーの装着を1日、または数日でもサボると、歯が動いてしまう可能性があります。微量な動きでも、リテーナーと合わなくなり、装着する際に違和感や痛みが生じる場合があります。
後戻りが起こる・再治療が必要になる
痛みを感じるだけでなく、歯が動いてリテーナーが装着できなくなる場合もあります。その場合は後戻りが生じているため、無理に付けようとすると、リテーナーが壊れてしまう可能性があります。
また、数ヵ月リテーナーの装着をサボると後戻りが進行し、再度矯正治療が必要と判断される可能性があります。ふたたび歯の負担、数万円程度の費用がかかることになります。
リテーナーをサボってしまった場合の対処法
リテーナーの付け忘れは、どれだけ意識していても誰しもに起こりうることです。
うっかり付け忘れてしまった場合の対処法を、あらかじめ把握しておきましょう。
そのまま装着を継続する
数日リテーナーをサボってしまい、装着時に違和感を覚える程度であれば、そのまま装着を継続して問題ありません。違和感や多少の締め付け感は、装着を続けることで徐々に軽減されます。
ただし、強い痛みが生じる場合などは無理に装着せず、医師に相談をしましょう。
リテーナーを作り直す
リテーナー装着の際に強い痛みが生じている場合は、リテーナーの作り直しが必要になるでしょう。無理な装着でリテーナーが部分的に壊れてしまうこともあるため、リテーナーを持参して医師に相談しましょう。
再矯正をおこなう
リテーナーの装着を長期間サボってしまうと、新しいリテーナーの作製が必要になるだけでなく、再矯正が求められることもあります。再治療に費用がかかりますが、多少の戻りであれば短期間で済む場合があるため、速やかにクリニックを受診してください。
まとめ
矯正後の歯並びを維持するためには、リテーナーの適切な装着が欠かせません。保定期間の目安は約2年ですが、加齢や生活習慣によって歯は常に動くため、できる限り長く装着を続けることが理想的です。
リテーナーの装着時間を守らなかったり、清潔に保たなかったりすると、後戻りのリスクが高まり、場合によっては再矯正が必要になることもあります。歯列を美しく保つためには、リテーナーの正しい管理と定期的な健診を心がけましょう。
湘南美容歯科では、マウスピース矯正とセラミック矯正を取り扱っています。口腔内の検査を踏まえて、患者さまに合った治療方法をご提案いたしますので、矯正中や矯正後のご不安な点も、お気軽に当院へご相談ください。
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