歯列矯正を終えたあと、歯の位置が戻らないようにするために欠かせないのがリテーナーです。この装置は、矯正治療で整えた歯列を安定させ、後戻りを防ぐために重要な役割を果たします。

本記事では、リテーナーの種類や装着期間、使用における注意点について詳しく解説し、リテーナーを効果的に活用するための情報をご紹介します。

歯列矯正後に装着するリテーナーとは?

歯列矯正後に装着するリテーナーとは、矯正した歯列を固定し保持するための装置のことです。歯列矯正後にリテーナーを装着せず放っておくと、治療前の位置に戻ろうとする「後戻り」が起こる可能性があります。

歯が動く仕組みと後戻りについて

歯列矯正後の後戻りには、歯が動く仕組みが関係しています。

矯正装置を装着すると、歯の周りにある骨が溶けたり、新たに作られたりすることで、成長した骨に押されて歯が少しずつ動きます。

歯列矯正が終わったばかりの骨や周辺組織は、完全に固まっていないため不安定な状態です。そのため歯が治療前の位置に戻ろうとする力が働き、放置しておくと後戻りしやすいのです。

リテーナーの種類と費用の目安をご紹介

リテーナーは大きく分けて以下の3種類があります。

  • マウスピースタイプ
  • プレートタイプ(ベッグタイプ)
  • ワイヤータイプ(フィックスタイプ)
  • それぞれに特徴があり、保定方法や費用などが変わってきます。

    マウスピースタイプ

    マウスピースタイプは、透明なマウスピースを装着し歯全体を覆って固定します。見た目は透明で目立ちにくいため、審美性が高く人気のタイプです。また、自分で着脱が可能なので衛生面でも優れています。

    一方、他のタイプのリテーナーと比較すると耐久性が低いというデメリットがあります。

    費用の目安は、10,000円〜20,000円(上下)程度です。

    プレートタイプ(ベッグタイプ)

    プレートタイプは、裏側をプラスチック製のプレートで、表側をワイヤーで固定します。マウスピースタイプと同様、着脱が可能です。

    一方で、装着すると歯の表面にワイヤーが見えるため目立つというデメリットがあります。

    費用の目安は、20,000円〜60,000円(上下)程度です。

    ワイヤータイプ(フィックスタイプ)

    ワイヤータイプは、接着剤で歯の裏側にワイヤーを装着して固定します。接着剤で固定するため自分で着脱はできませんが、裏側に装着するため気付かれにくく、保定力も高いのがメリットです。

    一方で、口腔ケアがしづらくなるため虫歯や歯周病になる可能性があります。

    費用の目安は、20,000円〜60,000円(上下)程度です。

    歯列矯正後のリテーナー装着時間と期間はどれくらい?

    歯列矯正後のリテーナーは、きれいな歯並びを維持するために大切なことがわかりました。

    ここからは、リテーナーの1日の装着時間や期間について解説します。

    リテーナーの1日の装着時間は?

    マウスピースタイプやプレートタイプなどの取り外し可能なリテーナーは、食事と歯磨きをするとき以外はつけておく必要があります。歯の位置が安定してきたら、使用頻度や装着時間を短くしていきます。

    歯列矯正後のリテーナー装着目安時間は以下のとおりです。

    装着期間 装着目安時間
    保定治療期間開始〜3ヵ月 20時間ほど(※食事と歯磨きをするとき以外は基本的に装着)
    3ヵ月〜半年 12時間(※在宅中のみ装着するなど)
    半年〜2年 夜間のみ装着
    2年〜 保定終了

    上記はあくまでも目安で、クリニックによって装着期間や目安時間は異なります。

    例えば、湘南美容歯科では、装着期間半年間は20時間を目安としており、半年~2年は夜間のみとなっていますが、可能であればリテーナーは装着し続けることを推奨しています。

    リテーナーでの保定治療期間は一人ひとり異なるため、医師と相談して決めた期間を守るようにしましょう。

    歯列矯正後、いつまで装着するの?

    リテーナーは、歯列矯正で動かした骨や周辺の組織が安定するまで装着する必要があります。そのため、一般的には矯正治療にかかった期間と同じくらいの期間を要するとされており、リテーナーの装着期間の目安は約1〜3年程度です。

    なお、湘南美容歯科では、リテーナーは装着し続けることを推奨しております。

    歯列矯正後のリテーナー使用における注意点とは?

    歯列矯正後の保定期間で装着するリテーナーの使用上の注意点を解説します。ポイントは以下の4つです。

  • 飲食時は外す
  • 専用のケースに入れる
  • 正しい方法で毎日洗浄する
  • 定期的に歯科クリニックを受診する
  • 飲食時は外す

    前述のとおり、マウスピースタイプやプレートタイプなどの取り外し可能なリテーナーは、食事と歯磨きをするとき以外は装着しておく必要がありますが、食事のときは外さなければなりません。特にマウスピースタイプの場合、変色や破損につながる可能性があります。

    また、リテーナーを装着したまま飲み物を飲むときは、コーヒーや紅茶、ワインなど、色がついている飲み物や砂糖が含まれている飲み物は着色の原因となるため控えましょう。

    専用のケースに入れる

    取り外し可能なリテーナーの場合、食事や歯磨きで外したときは、破損や紛失を防ぐため専用のケースに入れましょう。破損・紛失すると再製作が必要となり、その期間リテーナーが装着できず後戻りする可能性が高くなります。

    正しい方法で毎日洗浄する

    リテーナーは正しい方法で毎日洗浄をしましょう。洗浄しないと雑菌や汚れが溜まり、臭いや歯周病の原因となります。

    歯ブラシとリテーナー専用のクレンザーを使用してブラッシングすると効果的です。また、週1回のディープクレンジングとして、専用のクレンジング(洗浄剤)の使用もおすすめです。

    定期的に歯科クリニックを受診する

    定期的に歯科クリニックを受診し、後戻りや虫歯などのトラブルがないか確認をしてもらいましょう。定期的に見てもらうことで、早期発見につながり再治療などのリスクを最小限に抑えることができます。

    保定治療期間中は3ヵ月〜6ヵ月ごとに通院するとよいでしょう。通院頻度は歯科クリニックによっても異なりますので、医師の指導のもと定期的な通院を心がけてください。

    湘南美容歯科の歯列矯正

    湘南美容歯科グループでは「マウスピース矯正」と「セラミック矯正」の2種類の治療方法をご用意しております。マウスピース矯正の歯列矯正後には、リテーナーを使用して後戻りを予防します。

    累計治療実績16,506件※の治療実績で培われた経験と知識をもとに、より多くのお客さまに満足いただける施術をご提供いたします。
    (※2019年~2024年12月末までの累計マウスピース矯正症例数)

    湘南美容歯科の歯列矯正についてはこちら >

    まとめ

    歯列矯正後に装着するリテーナーとは、矯正した歯列を固定し保持するための装置のことで、後戻りを予防する目的があります。

    リテーナーの種類は主に3種類あり、それぞれ保定方法や費用が異なるため、自分のライフスタイルや歯並びの状態に適したリテーナーを選ぶことが大切です。

    また、リテーナーは骨や周辺の組織の状態によって使用頻度や装着時間が短くなるため、医師の指導のもと適切な装着時間を守りましょう。

    リテーナーを正しく使用することで効果を最大限に高めることができます。不明点は歯科クリニックに相談し、後戻りや口腔内トラブルの早期発見のためにも定期的な通院を心がけましょう。

    歯列矯正やリテーナーについて疑問や不安がある方は、お気軽に湘南美容歯科にご相談ください!お客さまに寄り添う丁寧なカウンセリングで、最適な治療方法をご提案いたします。

    ※本記事の内容は公開時点の情報であり、実際のメニュー名や金額とは異なる場合がございます。最新の情報については当院までお問い合わせください。