進学や就職、婚活などさまざまなきっかけで、大人になってから自分の歯並びが気になり、歯列矯正を考える人も少なくありません。
歯列矯正は「歯に矯正装置をつけて何年もかかる」というイメージがありますが、人によって矯正期間に差があったり、思ったより短期間で治療が終わったりする場合があります。
詳しく見ていきましょう。
歯列矯正で歯が動きやすい人の特徴
歯列矯正での歯の動きには、もともとの歯並びにより個人差が大きくあり、「この矯正装置なら何年かかります」「〇歳の女性なら何年かかります」とは一律に言えないものです。
もともとの歯並びや顎の骨の大きさ、虫歯の有無によっても矯正にかかる期間は変わります。
歯列矯正とは、ブラケットやマウスピースといった矯正装置を装着して、歯に一定の力を加えて移動させ歯並びを整えていくことです。
この歯に力を加える施術において、歯が動きやすい人と動きにくい人が存在します。
症状が軽度、歯が動かしやすい状態
元々の歯並びが重度の症状でない場合、矯正にかかる負担も小さくなり、歯の動きも抑えられるため、短い期間で改善できる可能性があります。
また、歯列矯正では歯が動くスペースも重要であり、場合によってはスペース確保のために抜歯が必要になるケースもあります。
歯列矯正の抜歯について詳しくは以下をご覧ください。
歯列矯正で抜歯は必要?抜歯のメリットや流れとあわせて解説
組織の代謝が活発で動きやすい
歯列矯正では、矯正装置によって歯を動かしたい方向へ力をかけます。
歯茎のなかに埋まっている歯の根である歯根(しこん)をとりまく歯根膜(しこんまく)に圧力をかけ、それにともない周囲の歯槽骨(しそうこつ)という骨を徐々に作り変えて、少しずつ歯を移動させるのです。
新しい骨を形成するにあたり、身体の代謝の良さは歯が動きやすくなる一つの要因となり得ます。
歯並びに影響のある口周りの習慣がない
頬杖をつく、睡眠時に歯ぎしり・食いしばりがある、舌で歯を押すなどの生活習慣は、歯並びの改善を遅らせる原因となります。
これらの習慣は歯の移動とは別に力が働いてしまい、矯正に対して悪影響を及ぼす可能性があります。
成長中の子ども
歯や顎の骨が成長途中にある子どもは、少しの力で歯や骨に影響が出やすくなっています。
そのため頬杖をついたり、虫歯を放置したりするなどの要因で歯並びが悪くなりやすい反面、矯正装置によって歯に力をかけたときにも歯や骨が動きやすいのです。
つまり、成長途中の子どもの歯並びは「悪くなるのも早いが、矯正するのも早い」というケースが多いです。
歯列矯正1ヵ月で歯は0.3~0.5mm移動する
健康な人の歯は、指で押したり引っ張ったりしても簡単には動きません。
歯列矯正ではどのように歯を動かしているのでしょうか。
歯列矯正では、さまざまな矯正装置を用います。
代表的なのは金属製のワイヤーブラケットや、ポリウレタン製の素材から作られたマウスピースです。
これらの矯正装置を長時間歯に装着することによって、歯を動かす力を持続的に加え続け、歯並びを徐々に整えていきます。
歯列矯正によって歯が動く距離は、だいたい1ヵ月で0.3〜0.5mmほどです。
あまり強い力をかけて急いで歯を動かそうとすると骨や歯根にダメージが出る恐れがあるため、適切な力をかけて少しずつ歯を移動させていきます。
大人の歯列矯正にかかる期間
歯列矯正中、歯が1ヵ月で0.5mmずつ移動したとして、歯をほんの2mm動かすだけでも最低4ヵ月はかかります。
矯正装置を外したあとは、移動した歯を定着させるために保定装置(リテーナー)を着ける期間も必要になります。
もともとの歯並びによって個人差はありますが、歯列矯正に必要な期間は平均で2~3年程度です。
矯正装置を付ける前に虫歯や歯周病の治療が必要になる人や、顎の骨格まで治療が必要な難治症例では5年以上かかる場合もあります。
歯列矯正にかかる期間について詳しくは以下をご覧ください。
歯列矯正はどれくらい期間がかかる?時間がかかる理由や長引かせないためのポイントを解説
歯列矯正を早く終わらせるには?
歯列矯正はある程度の期間を要しますが、可能な限り早く治療を早く終わらせる方法はあるのでしょうか。ここでは、歯列矯正の効果を担保したうえで歯並びを改善する方法をご紹介します。
医師の指示に従い、矯正装置を正しく装着する
矯正治療は医師が指示した方法で、所要時間を守って装置をつけることが重要です。
また、歯列矯正が終わり矯正装置を外したあとも、移動した歯を定着させる保定装置(リテーナー)を一定期間着ける必要があります。
保定装置(リテーナー)の装着を途中でやめてしまい、せっかく矯正した歯並びが再び乱れてしまうケースもあるので気を付けましょう。
また、治療期間中は歯の動き具合をみて調整していくため、定期的な通院も必要です。
不安な点や治療の経過について疑問に思ったことは気軽に質問してみましょう。
生活習慣や癖を整える
歯を動かすには、先述の通り新陳代謝を高めることも重要で、そのためには適切な食事・運動・睡眠といったバランスのとれた生活習慣を維持しましょう。
また、歯ぎしりや舌で歯を押す、頬杖などの癖も可能な限り抑えられるとベストです。
実績のある矯正歯科を選ぶ
歯列矯正では矯正装置のチョイスや装置の装着技術など、歯科医の知識や経験に左右される要素もあります。
何年もかけて歯列矯正をしたものの、逆に噛み合わせが悪くなったり、頭痛や肩こりが悪化したり、歯がグラグラしたりといったトラブルもゼロではありません。
技術力の高い歯科医は、お客さまの歯の状態を見極め、効率よく歯並びを整える治療方針を立てられるため、結果として矯正に費やす期間が短く済むのです。
セラミック矯正を検討してみる
マウスピース矯正は矯正装置を装着し徐々に歯並びを動かす矯正治療ですが、歯並びの悪い歯を削って人工の歯を被せる「セラミック矯正」という方法も近年では人気があります。
人工の歯といっても見た目や材質は自然に違うものも多く、セラミックのなかでも種類があります。
セラミック矯正を検討の方は以下をご覧ください。
セラミックの歯による治療とは?メリット・デメリット、料金や種類についてご紹介湘南美容歯科のセラミック矯正についてはこちら
まとめ
歯列矯正での歯の動きやすさは、元々の症状や生活習慣にも一定左右されます。
大人の歯列矯正では、矯正に要する期間は平均2~3年程度ですが、可能な限り治療期間を短くするためには歯科医師の指示通りマウスピースや保定装置(リテーナー)を着ける必要があります。
歯列矯正を検討している方はお気軽に当院までご相談ください。
※本記事の内容は公開時点の情報であり、実際のメニュー名や金額とは異なる場合がございます。最新の情報については当院までお問い合わせください。