歯列矯正の抜歯に対して、不安があったり後悔しないかと心配になっている方や、なんとなく怖いイメージや悪いイメージがある方もいらっしゃるかと思います。
一度抜歯した歯は二度ともとに戻ることはないため、抜歯は慎重に検討する必要があります。

本記事では、歯列矯正の抜歯で後悔する理由をご紹介しています。また、あわせて歯列矯正で抜歯するメリットや、後悔しないためのポイントも解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。

歯列矯正の抜歯で後悔する理由

歯列矯正では、抜歯をともなうケースがあります。
抜歯をするかどうかは、お口の状態やお客さまの理想とする歯並びに応じて、歯科医師が判断します。

しかし、抜歯矯正をして後悔しているという方もいらっしゃいます。
主な理由として、以下の5つが挙げられます。

  • 噛み合わせが悪くなった
  • 顔の印象が変わった
  • 抜歯後に痛みや腫れが出た
  • 口元が引っ込みしゃくれて見えるようになった
  • 抜歯の必要性を理解していないのに抜歯した

噛み合わせが悪くなった

抜歯により噛み合わせが悪くなることがあります。

抜歯をすることで噛む力が不均等に分散されるため、硬いものが噛みにくくなったり、発音がしにくくなるというリスクにつながる可能性があります。

顔の印象が変わった

抜歯により口元のバランスや顔の輪郭が変化することで、顔全体の印象が変わることがあります。

特に前歯の抜歯は大きく印象を変えるため、後悔したと感じる方が多いです。矯正治療が進んでいくうちに歯の隙間はなくなってきますが、治療中の見た目を気にする方もいるでしょう。

抜歯後に痛みや腫れが出た

抜歯中は麻酔を効かせるため、痛みはほとんどありません。

しかし、痛みの感じ方には個人差はありますが、抜歯後麻酔が切れると痛みが生じることがあります。

また、抜歯当日は食事に気をつける、激しい運動や飲酒は控えるなど、いくつか注意点があります。抜歯後の痛みや腫れにも影響するため、痛み止めと抗生物質の服用方法から、運動や入浴の注意点など、歯科医師の指示に従うことが大切です。

口元が引っ込みイメージと違った

前歯を後方に移動させるために抜歯をおこなう場合、できたスペースが大きいと口元が引っ込みすぎることがあります。

すると、下顎がしゃくれて見えたり、ほうれい線が目立ち老けたような印象を与えてしまう可能性があります。

抜歯の必要性を理解していないまま抜歯をした

抜歯矯正をおこなう前に、治療計画や抜歯の必要性の説明を受けます。
しかし、抜歯の目的や効果、リスクを十分に理解せず抜歯をおこなうと後悔してしまう可能性が高くなります。

また、不安に思っていたり、疑問を感じたまま抜歯を進めると、トラブルが発生した際に「抜歯が悪かったのではないか」と感じてしまうでしょう。

抜歯の目的をしっかりと理解し、不安に感じていることや疑問があった場合は、医師に相談をして納得したうえで歯列矯正をおこないましょう。

歯列矯正で抜歯が必要なケース

歯列矯正で抜歯が必要となるのは、以下のようなケースがあります。
自分に当てはまるかどうか、確認しておきましょう。

  • 顎が小さく歯が並ぶスペースが足りないケース
  • 上下の顎がズレているケース
  • 重度の出っ歯や受け口のケース
  • 親知らずが歯並びに悪影響を与えているケース

顎が小さく歯が並ぶスペースが足りないケース

顎が小さくて歯が並ぶスペースが足りない場合、抜歯をして新たにスペースを確保する必要があります。

スペースを作らず無理に歯を並べてしまうと、歯列矯正をしたのに口元の印象がイメージと違ったといったことが起こる可能性があるため注意が必要です。

上下の顎がズレているケース

上下の顎のズレによって噛み合わせが悪くなっているケースでは、外科手術で対応することが多いです。

しかし、症例によっては抜歯をおこなうことで噛み合わせを改善できる可能性があります。

重度の出っ歯や受け口のケース

軽度の出っ歯や受け口の場合、基本的に抜歯は必要ありません。
しかし、重度の場合、スペースを確保するために抜歯が必要になることがあります。

親知らずが歯並びに悪影響を与えているケース

親知らずがまっすぐ生えていないと、歯を後ろから押すため歯並びに悪影響を与えることがあります。

親知らずは必ず抜歯しなければいけないわけではないですが、トラブルを避けたりスペースを確保するためにも、抜歯するケースは少なくありません。

歯列矯正で抜歯をするタイミング

歯列矯正で抜歯が必要となった場合、どのタイミングで抜歯をおこなうのか解説していきます。

歯列矯正開始前

歯列矯正を開始する前に、スペースを確保するため抜歯をすることがあります。

歯の過密や重なりに問題がある場合、抜歯することによって歯の移動が容易になります。

また、不正咬合が重度の場合も、抜歯を通じて咬合を改善することが可能です。

歯列矯正中

矯正装置を装着したあとに、抜歯をおこなうケースもあります。

歯が動きやすくなったあとに抜歯をおこなうことで、より効率的にスペースを作ることができます。

歯列矯正で抜歯をするメリット

歯列矯正の抜歯で後悔する理由について解説してきましたが、抜歯矯正にはもちろんメリットもあります。

歯列矯正で抜歯をするメリットは、以下の4つです。

  • 歯が正しい位置に並びやすい
  • 歯の安定性が高まり後戻りしづらくなる
  • Eラインが整う
  • さまざまな症例に対応できる

歯が正しい位置に並びやすい

抜歯により十分なスペースを確保することで、歯が正しい位置に並びやすくなり、噛み合わせが改善されます。

噛み合わせが正しくなることで、咀嚼や発音の改善、顎関節症のリスク軽減など、審美的にも機能的にもさまざまなメリットがあるのです。

歯の安定性が高まり後戻りしづらくなる

抜歯をすると、歯の過密を解消することができます。
すると、長期的な安定性が高まり、後戻りしづらくなるのです。

Eラインが整う

Eラインとは、鼻の先と顎の先を結んだ線のことで、ライン内に唇が収まっていると横顔が美しく見えます。

抜歯によって歯列を調整すると、顔のバランスも改善されることがあります。

特に前歯を抜歯した場合、前歯を後方に移動することができ唇や顎の位置が変化することで、Eラインが整うことがあるのです。

さまざまな症例に対応できる

中等度〜重度の症例の場合、非抜歯矯正では対応できない可能性があります。

しかし、抜歯をすれば出っ歯や叢生といった抜歯なしでは対応しにくい症例でも、治療が可能になることがあります。

非抜歯で歯列矯正をする方法

歯列矯正で抜歯をするメリットについて解説しましたが、それでも健康な歯を抜くことに抵抗がある方もいらっしゃるかと思います。抜歯が必要なケースもありますが、非抜歯で歯列矯正をすることもできます。

方法としては、以下の3つが挙げられます。

  • 歯列を広げる
  • インプラント矯正を検討する
  • 研磨処置(IPR)

歯列を広げる

永久歯への生え変わりが完了していない子供の場合、成長を利用して顎の骨を広げることができます。

顎の骨が広がると歯を並べるスペースを確保することができ、非抜歯で矯正ができる可能性があります。

また、大人の場合は「拡大床」と呼ばれる装置を用いて、顎の骨を広げることができます。

インプラント矯正を検討する

インプラント矯正とは、矯正用のインプラント(アンカースクリュー)を使用して歯並びを改善する治療のことです。

インプラントを埋め込んだ部分が支点となり、効率的に歯を移動させることが可能となります。
そのため、非抜歯で歯列矯正ができる可能性があるのです。

研磨処置(IPR)

研磨処置(IPR)とは、歯の側面をわずかに削り歯を並べるスペースを確保する方法のことです。

研磨処置では理論上、合計4~6mm程度歯の移動スペースを確保することができます。

軽度の症例であれば、研磨処置をおこなうことで抜歯せずに済む可能性があります。

歯列矯正の抜歯で後悔しないためのポイント

ここでは、歯列矯正の抜歯で後悔しないためのポイントをご紹介します。
抜歯矯正で後悔しないためにも、以下の点に注意をしましょう。

  • 抜歯の目的や効果を理解する
  • 経験と実績のあるクリニック・医師を選ぶ
  • カウンセリング・シミュレーションをしっかりおこなう

抜歯の目的や効果を理解する

前述したとおり、抜歯の必要性を理解していないまま抜歯をおこない後悔している方がいらっしゃいます。

自分の歯並びで抜歯をおこなう目的は何か、抜歯をおこなうことでどのような効果が期待できるか、抜歯をおこなうリスク、またはおこなわない場合のリスクについて事前に理解しておきましょう。

目的や期待できる効果、リスクを事前に把握しておくことで、後悔しないで済む可能性が高まります。

経験と実績のあるクリニック・医師を選ぶ

これは抜歯・非抜歯に関わらずですが、歯列矯正で後悔しないためには経験と実績のあるクリニック・医師を選ぶことがとても重要です。

事前にサイトで治療実績や症例を確認したり、口コミを調べてみるとよいでしょう。

カウンセリング・シミュレーションをしっかりおこなう

歯列矯正を開始する前のカウンセリングで、不安なことはすべて医師に確認しておきましょう。

また、歯並びの変化に加えて顔貌の変化も確認できるシミュレーションをおこなうと、顔の印象が変わったことによる後悔を避けることができます。

まとめ

歯列矯正の抜歯で後悔する理由は、噛み合わせが悪くなった、顔の印象が変わった、などさまざまです。

これだけ聞くと、抜歯をしたくないと思うかもしれませんが、歯列矯正で抜歯をするにはメリットも存在します。

また、理想どおりの歯並びにするためには、抜歯が必要なケースもあります。

歯列矯正で抜歯をする方は、後悔しないためにもまず抜歯の目的や期待できる効果、リスクについて理解しておきましょう。
そして、経験と実績のあるクリニック・医師を選び、カウンセリングとシミュレーションをしっかり受けてください。

湘南美容歯科では、実績のある医師が丁寧なカウンセリングを実施したうえで治療をおこなっています。
歯列矯正の抜歯で後悔したくない方は、まずはお気軽にご相談ください。

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