歯列矯正を考えた際に、「歯列矯正中に痛みはあるのか」「どれくらいの痛みがあるのか」と不安に思う方もいらっしゃると思います。
本記事では、歯列矯正による原因や種類、期間、対処法について詳しく解説しています。
現在、矯正中で痛みを感じている方や不安を抱えている方に向けて、痛みを軽減するためのアドバイスも紹介していますので、ぜひ参考にしてください。
歯列矯正には痛みがともなう?
歯列矯正で歯並びを改善したいけど、痛いイメージがあるから悩んでいる…という方もいらっしゃると思います。歯科矯正は、数ヵ月から数年の治療期間を要するため不安になるのは当然です。
しかし、歯列矯正の痛みの感じ方には個人差があり、なかには痛みを感じない方もいらっしゃいます。また、痛みの種類や痛みが強く出るタイミング、対処法をあらかじめ知っておくことで、気持ちが楽になるでしょう。
今回は、歯列矯正の痛みの種類や期間、対処法をご紹介します。歯列矯正を考えているけど痛みが心配という方はぜひ参考にしてください。
歯列矯正による痛みの種類とは?
歯列矯正の痛みの種類は大きく分けて4つあります。
- 矯正装置が頬や舌に当たるとき
- 矯正によって歯が動くとき
- 食べ物を噛むとき
- 口腔内のトラブルが生じたとき
それぞれ詳しく紹介していきます。
矯正装置が頬や舌に当たるとき
ブラケットやワイヤーを使用する矯正の場合、矯正装置が頬や舌に当たって痛みが生じることがあります。
頬や舌に矯正装置が当たることで口内炎ができてしまい、それによって痛みが長引く場合もあります。口内炎ができると3~4日程度痛みのピークが続きますが、1週間程度で自然治癒することが多いです。
矯正によって歯が動くとき
歯列矯正は装置で少しずつ歯を動かしていく治療です。
矯正装置を装着すると、歯を取り囲む歯根膜に圧力がかかり、破骨細胞と骨芽細胞が活性化されます。破骨細胞は力が加わった側の骨を溶かし始め、骨芽細胞は力が加わった歯の反対側に新たに骨を作ります。その結果、成長した骨に押されて歯が少しずつ動くのです。
この歯が動く仕組みのなかで、骨が溶ける際に痛みを感じさせる物質が分泌されます。そのため、ワイヤー調整をおこなったあとは歯の動きにともなって痛みが生じます。
食べ物を噛むとき
こちらは歯が動く際に骨が安定していないため起こる痛みです。特に硬いものを噛むときに歯に負荷がかかり痛みが生じる可能性があります。歯が動いている期間(数日〜1週間程度)は痛みを感じやすいです。
口腔内のトラブルが生じたとき
歯列矯正中は矯正装置により口腔ケアがしづらくなります。また、歯の動きにともない痛みが生じている場合は、歯ブラシによる刺激を避けるためしっかりとケアができないケースもあります。
そのため、虫歯や歯周病を引き起こして痛みが生じることがあります。
歯列矯正による痛みのピークと期間とは
歯列矯正の痛みの種類はさまざまですが、痛みが生じるタイミングにはある程度傾向があります。ここでは痛みのピークと期間について解説します。
歯列矯正の痛みのピークはいつ?
装置装着後3~6時間ほどで痛みが出始め、2日目あたりに痛みが強くなる場合が多いです。
歯列矯正の痛みはいつまで続くの?
装置を初めて装着した場合は、ピークを過ぎると徐々に痛みは減少していき、1週間程度で痛みは気にならなくなります。
装置装着が2回目以降になると、2〜3日程度で痛みが消失する方がほとんどです。
マウスピース矯正はワイヤー矯正より痛みが少ない?
痛みの感じ方には個人差があるため一概にはいえませんが、マウスピース矯正はワイヤー矯正より痛みが少ないといわれています。
マウスピース矯正は、歯を少しづつ動かすためワイヤー矯正に比べて歯にかける負担が弱く、口腔内を傷つける心配もほとんどありません。そのため、痛みを感じにくい場合が多いのです。
ただし、痛みはゼロではありません。それぞれのメリット・デメリットなどを理解したうえで治療方法を選択しましょう。
歯列矯正で痛みが生じたときの対処法は?
歯列矯正の痛みは徐々に慣れていくことが多いですが、耐えられない痛みが続く場合は医師に相談するのが一番です。しかし、通院が難しい方や休診日に痛みがでた場合はどうしたらよいのでしょうか。
ここでは歯列矯正で痛みが生じたときの対処法をご紹介します。
- 矯正用ワックスを使用する
- 痛い部分を冷やす
- 痛み止めを服用する
- 歯科クリニックに相談して調節してもらう
矯正用ワックスを使用する
ブラケットやワイヤーなどの矯正装置が頬や舌に当たって痛みが生じている場合は、矯正用ワックスを使用するとよいでしょう。
矯正用ワックスは矯正装置があたる箇所を保護して痛みを和らげることができます。しかし、食事や歯磨き、会話をしていると取れてしまうためワックスの塗り直しが必要です。
痛い部分を冷やす
歯の動きにともなって痛みが生じている場合は、保冷剤や氷などをガーゼのような薄い布で包み冷やすと効果的です。特に、お風呂上がりや寝る前など血流がよくなると痛みが強くなりやすいため注意が必要です。
ただし、冷やしすぎると矯正力が落ちてしまうため冷やす時間は短時間にしておきましょう。
痛み止めを服用する
どうしても耐えられないほどの痛みの場合は、痛み止めを飲むことも対処法の一つです。
痛み止めは歯の組織の炎症を抑えるため、歯の動きが鈍る恐れがあるといわれています。しかし、抗炎症作用がないカロナールなどは、抗炎症作用のあるロキソニンなどと違い、歯の移動に影響がないという研究データがあります。
痛み止めの種類や用法用量については、医師に相談をして決めましょう。
歯科クリニックに相談して調節してもらう
これまで紹介したさまざまな対処法を試しても痛みが続く場合は、歯科クリニックに相談してワイヤーの調整やマウスピースの確認をしてもらいましょう。
歯列矯正中の食べ物について
ワイヤー矯正で歯列矯正している場合、歯に圧力をかけているため、食べ物を噛むと痛みを感じます。しかし、痛いからといって食事量を減らすのはよくありません。
ここでは歯列矯正中におすすめの食べ物、注意が必要な食べ物についてご紹介します。
歯列矯正中におすすめの食べ物
歯列矯正中はやわらかいものや、歯や矯正装置に挟まりにくい繊維の少ないものがおすすめです。食べづらいものは食べやすい形にするとよいでしょう。例えば、以下のような食べ物や調理方法があげられます。
- 魚や野菜はやわらかく煮る
- ハンバーグなどのひき肉料理
- オムレツなどの卵料理
- サーモンなどの繊維の少ない食べ物
- りんごや大根はすり下ろす
歯列矯正中に注意が必要な食べ物・飲み物
ワイヤー矯正の場合、矯正装置を付けたまま食事をすることになるため、食べ物に気を付ける必要があります。
歯や矯正装置に挟まりやすい硬いものや粘り気のあるもの、繊維質が多いものには注意しましょう。
- せんべい
- グミ、キャラメルなどのお菓子
- ラーメンなどの細い麺類
- えのきなどの繊維質な食べ物
マウスピース矯正の場合、食事の際は装置を外すため、食べ物に気をつける必要はありません。しかし、歯を動かして歯並びを整える治療であるため、食べ物を噛むと痛みを感じる場合があります。その際は、硬い食べ物や繊維が多い食べ物は無理に食べないようにしましょう。
また、飲み物を飲むときは、着色の原因となるコーヒーやワインなど色がついている飲み物や、虫歯などの口腔内トラブルの元となる砂糖が含まれているものなどは避けましょう。熱い飲み物もマウスピースの変形の原因となるため避けたほうが安心です。
まとめ
歯列矯正による痛みの感じ方には個人差があり、痛みを感じる方もいれば、なかには痛みを感じない方もいらっしゃいます。
痛みの種類はさまざまですが、痛みが出るタイミングを把握して適切な対処法をとれば、最小限にすることが可能です。
歯列矯正の痛みを抑えて歯並びを改善したい方には、ワイヤー矯正と比べて痛みが少ないといわれている、マウスピース矯正がおすすめです。
湘南美容歯科グループは多数の症例実績があり、安心して治療を進めていただけます。またマウスピース矯正のほかに、歯並びを改善したい歯やその周辺にセラミッククラウンを被せる「セラミック矯正」もございます。
歯列矯正を検討中の方は、まずはお気軽にカウンセリングにお越しください。
※本記事の内容は公開時点の情報であり、実際のメニュー名や金額とは異なる場合がございます。最新の情報については当院までお問い合わせください。