虫歯の治療をする際、金属ではなく歯と似た色の白い素材の詰め物を使用することも多くなっています。
この白い詰め物にはプラスチックとセラミックがあり、それぞれに特徴やメリット・デメリットが存在するのです。
いずれの素材についても、しっかりと理解したうえで自分に合っているものを選ぶ必要があります。
では、プラスチックとセラミックの詰め物について詳しく紹介しましょう。
目次
セラミックとプラスチックの歯の詰め物の違い
セラミックは包丁などにも使われる硬い素材で、歯と似たような見た目や機能を維持できます。
表面に艶のある美しさが長く続く素材です。
ただし、健康保険適用外となり、お客さまが費用を全額負担する必要があります。
一方、プラスチックの詰め物は、成型がとても簡単で費用が安く済むため、広く使用されている素材です。
健康保険が適用できるため、お客さまの負担を軽減することができます。
審美的にも金属より違和感がないため、この素材を選ぶ人は多いです。
セラミックの歯の詰め物の特徴
セラミックとは陶器を基本とした素材で、自然な歯のように美しい見た目を保つことができます。
また、見た目のよさだけではなく、とても硬い素材であるため持ちがとてもよいことが大きな特徴です。
しかしセラミックの詰め物を作るには、いったん歯型を取ったあとで鋳造するまで1週間程度時間がかかります。
また、健康保険適用外の自由診療となるため、費用が高額になり、お客さまの金銭的負担が大きくなります。
セラミックの詰め物の寿命
セラミックは陶器であり、硬度も高く吸水性もないことから、経年劣化がほぼありません。
変色はもちろんすり減りも少なく、かなり長期間維持することができるのです。
メンテナンスをきちんとおこなっていれば、寿命は10~20年ともいわれ、長く付き合っていけるといえます。
セラミックの詰め物のメリット
セラミックの詰め物のメリットはやはり、見た目が美しく自然な歯とほぼ変わらず、治療した部分がほとんどわからなくなる点です。
また、持ちがよく長期的に使えるため、メンテナンスのやり方によっては再治療の必要がありません。
さらに、表面がつるつるしていることから、歯垢が付きにくく食べカスも歯磨きですぐ落とせて手入れが楽です。
この点は、虫歯や歯周病になりにくいことにもつながっています。
セラミックの詰め物のデメリット
セラミックの詰め物にも、デメリットはあります。
健康保険の適用外になるため、お客さまの負担が大きくなってしまうことが挙げられるでしょう。
また、自由診療であることから歯科によって費用が大きく異なります。
治療も歯型を取ってから鋳造・装着するため、何度も歯科に通わなければなりません。
そして、硬度が高いことは長持ちするメリットがある一方、自然の歯よりも硬いため、周囲の歯を傷つけてしまう可能性があります。
プラスチックの歯の詰め物の特徴
歯の詰め物のなかでもプラスチックは、複雑な歯の形や噛み合わせにも柔軟に対応できる素材です。
成型が簡単であることから、治療時間が少なく、お客さまの負担も比較的少なくなります。
しかし、成型しやすいということはその分柔らかい素材であるということです。
柔らかいゆえに、すり減りやすく、持ちがあまりよくないという特徴があります。
また、歯科で使用するプラスチックは吸水性があり、変色などの経年劣化が生じやすいです。
プラスチックの詰め物の寿命
プラスチックの詰め物は、安上がりで治療もすぐ済む反面、耐久性が多少弱いため、寿命があります。
すり減りや変色といった劣化は、およそ2年後から生じ始めます。
そして、詰め物としての機能を失うのは約3年後からと考えるとよいでしょう。
寿命を過ぎても再治療をおこなわない場合、治療した部分との間に隙間ができ、虫歯が進行する可能性もあります。
プラスチックの詰め物のメリット
プラスチックの詰め物のメリットを挙げていきます。
まず、お客さまとして嬉しい点は、健康保険の適用となるため安価で済むという点です。
また、金属の詰め物よりも見た目に違和感がないこともメリットです。
さらに、治療時間が短いだけではなく歯を削る箇所も最小限で済み、問題のない健康な歯を傷つける必要がありません。
この点は、噛み合わせた際の向かい側の歯を傷つけないというメリットにもつながります。
プラスチックの詰め物のデメリット
比較的負担の少ないプラスチックの詰め物ですが、デメリットもあり、主に耐久性の弱さから寿命が短いことがあげられます。
すり減りや変色、欠けなどの劣化が起こりやすく、長持ちしにくいことはデメリットでしょう。
寿命がくる頃に再治療が必要になる点は手間となってしまいます。
セラミックとプラスチックはどちらがよいのか
歯の詰め物について、セラミックとプラスチックのどちらがよいかは、自分が治療においてどの点を重視するかによるでしょう。
例えば、できるだけ安い費用で治療期間を短くしたいということであれば、プラスチックの詰め物でも十分かもしれません。
このとき、数年後の再治療まで視野に入れておくことをおすすめします。
しかし、多少費用がかかってもいいから長期間持つものにしたい、また治療の跡がわからないように自然の歯と同じような審美性が欲しいなら、やはりセラミックがよいです。
特に、見えやすい前歯などの治療では見た目に違和感がないセラミックのほうがよいでしょう。
プラスチックの詰め物の健康保険適用について
プラスチックの詰め物は、とても安価で治療が比較的短期間ですから、健康保険に加入していれば自己負担が少なくて済みます。
自己負担の割合は、会社で加入する被用者保険やそれ以外の国民健康保険などに加入していれば、70歳以上や6歳未満を除けば一般的に3割負担です。
プラスチックの詰め物の値段
では、健康保険適用で3割負担という前提でプラスチックの詰め物にいくらかかるかというと、およそ700~1000円くらいが相場です。
このように、お客さまの負担はとても軽く済み、再治療が必要になっても経済的に大きな圧迫要因にはならないと考えられます。
自己負担を減らし、なおかつ再治療の手間を惜しまないなら、プラスチックの詰め物を選ぶのもよいでしょう。
まとめ
セラミックは陶器でできており、自然な歯とほぼ変わらない見た目を保つことができる素材です。さらにとても硬い素材で持ちがよく、歯垢も取れやすいため、メンテナンスをしっかりすれば寿命は20年近くも続くといわれます。
しかし、健康保険の適用外となることから費用の負担がとても大きくなってしまうことは、デメリットです。
プラスチックは柔軟性のある素材で、複雑な歯の形でも成型しやすい素材です。
また、とても安価で治療期間も短く、健康保険が適用されるのが大きな特徴でしょう。
しかし寿命が比較的短く、2年経過した頃から劣化が見え始め、3年で寿命を迎えるといわれています。
セラミックとプラスチックの詰め物のどちらがよいかは、自分が治療でどの面を重視するかによります。
歯科医師に相談して、自分に合った詰め物を選択しましょう。
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