セラミック治療とは

セラミック治療とは、歯を部分的に削り、その上からセラミック製の歯を被せることで歯並びや歯のかたちを整える方法です。歯を動かす歯列矯正と異なり短期間で施術が完了することが特徴です。

前歯のセラミック治療がおすすめな人

セラミック治療は、特に下記に当てはまる人に向いています。

  • 前歯のみを短期間できれいにしたい人
  • コストを抑えて前歯をきれいにしたい人
  • 出っ歯やすきっ歯が気になる人
  • 前歯が欠損している人
  • 前歯に虫歯がある人
  • 歯を白くしたい人

全体的なガタつきを整えたい方はもちろん、軽度の出っ歯やすきっ歯を短期間で改善したい、という要望に適しています。また何らかのトラブルにより歯が欠損してしまった、虫歯になり歯が溶けてしまったなど、前歯の欠損を補修したい場合にもおすすめしたい治療方法です。

セラミック治療ができない人

下記に当てはまる方は、セラミック治療を受けることができません。

  • 抜歯をしていて歯がない人
  • 虫歯の治療が終わっていない人
  • 歯周病がある人
  • 麻酔アレルギーの人
  • 妊娠中の人

セラミック治療は、いま生えている歯にセラミックの歯を被せることで歯の見た目や機能などを改善します。そのため、歯がない箇所や虫歯や歯周病の治療をしている部分への施術はできません。

またセラミック治療では、歯を削る前に麻酔をおこないます。そのため麻酔により動機や手足のしびれなどのアレルギー症状を発する方も治療を受けられません。妊娠中の方も、安定期に入っている方以外は治療を避けたほうがよいでしょう。

妊娠中の方がセラミック治療を受ける場合は必ず歯科医師に事前申告をしましょう。

前歯をセラミックにするメリット

前歯の見た目や並びの改善にセラミック治療を選択するメリットには、下記の4つが挙げられます。

  • 短期間での治療ができる
  • 理想の歯の色を実現できる
  • 金属アレルギーへの心配がない
  • 変色せずに長持ちする

それぞれ詳しく解説します。

短期間での治療ができる

セラミック治療は、歯を動かすマウスピース矯正やワイヤー矯正よりも短期間で施術が完了します。マウスピース矯正やワイヤー矯正は、歯並びの状態によって数ヵ月〜2・3年の期間が必要で、また矯正装置を長時間装着する必要があります。

セラミック治療の場合、前歯を1〜2本改善する場合の施術期間は3ヵ月程度が目安です。矯正装置を長時間装着する必要もないため、治療を受ける際のストレスが少ないといったメリットもあります。

理想の歯の色を実現できる

セラミックの歯は、種類によっては色味にバリエーションがあるため患者様が希望する色を選べます。周囲の歯に馴染みやすい色を選ぶことで自然な仕上がりになり、理想的な歯並びに近づけることが可能です。

金属アレルギーへの心配がない

あまり知られていないのですが、実は銀歯が原因で金属アレルギーを発症することがあります。歯の土台に金属を用いた歯科治療も同様で、口内に金属があることにより口内炎や顔の発疹、頭痛や肩こりなどを発症することがあるのです。

セラミック治療に用いる被せ物は金属製ではないため、金属アレルギーになる心配はゼロといえます。

変色せずに長持ちする

セラミック素材は耐久性に優れているため摩耗しにくく、また変色にも強いため長持ちしやすい傾向にあります。セラミック以外の素材にはレジンがありますが、こちらはセラミックと比較して時間の経過とともに摩耗と変色を起こしやすいです。

セラミックの歯について詳しくは、以下の記事をご覧ください。

セラミックの歯による治療とは?メリット・デメリット、料金や種類についてご紹介

前歯をセラミックにするデメリット

さまざまなメリットのあるセラミック治療ですが、以下のようなデメリットもございます。

  • 自然歯を削る必要がある
  • 支台歯が虫歯になる可能性がある
  • 歯茎が下がってしまう可能性がある
  • セラミックが欠けることがある
  • 保険適用がされない

それぞれ詳しく解説します。

自然歯を削る必要がある

被せ物の歯を装着するためには、もともとの歯を削る必要があります。また施術内容によっては、歯の神経を抜く処置が必要なこともあり、健康的な歯の寿命を縮めてしまう可能性は否めません。

この点はセラミック治療を受けるうえで避けることのできないデメリットといえます。

支台歯が虫歯になる可能性がある

セラミック治療では、もともとの歯の上に被せ物をします。もともとの歯と被せ物の間に隙間が空いていると、隙間から虫歯菌が侵入し、もともとの歯が虫歯になってしまう可能性があります。

時間の経過とともに被せ物の接着力が弱まることで起こるため、接着力が弱まっていないか定期的にチェックすることで予防できます。

歯茎が下がってしまう可能性がある

歯茎に炎症があり、腫れている状態でセラミック治療を受けた際に起こる現象です。セラミック治療を受けたあとに腫れが引いていくことで、歯茎が下がりもともとの歯の根元が見えてしまうことがあります。

虫歯や歯周病だけでなく、歯茎の炎症も落ち着いた状態で治療を受けるようにしましょう。

セラミックが欠けることがある

まれにですが、セラミックの歯に強い衝撃が加わることで欠けることがあります。衝撃により歯が欠けるリスクはもともとの歯であっても同様のため、心配しすぎる必要はありません。

保険適用がされない

セラミックの歯は健康上必要な機能に加えて審美的な機能も兼ね備えています。そのため銀歯を用いた歯科治療とは異なり保険適用がされません。保険適用可能な治療と比較すると高額になりやすいですが、確定申告をして医療費控除を受けることは可能です。

医療控除については詳しくは、以下の記事をご覧ください。

歯列矯正は医療費控除の対象になる?控除される条件や申請方法を解説

セラミック治療の種類と費用について

セラミックといってもさまざまな種類があり、当クリニックでも色展開が豊富なものや天然の歯に近い見た目のもの、オーダーメイド可能なものなどをご用意しております。

治療費は、治療する歯の本数や用いる素材、貼る・被せるといった治療方法により異なります。以下は、当クリニックで扱っているセラミックの一覧です。

種類 色展開 素材 審美性 費用(1本)
セラミックインレー セラミック 自然な歯に近い 37,120円
ラミネートベニア 35色 セラミック 自然な歯に近い 75,900円/98,000円(削らない場合)
フルジルコニアセラミック 5色 ジルコニア 透明度に欠ける 90,000円
グラデーションセラミック 5色 ジルコニア 自然な歯に近い 100,000円
プレミアムダイヤモンドセラミック 5色 ジルコニア+セラミック 自然な歯に近い 120,000円
ダイヤモンドオーダーセラミック(オーダーメイドプラン付) 無数 ジルコニア+セラミック 自然な歯に近い 145,000円

いくつかの症例をご紹介します。

セラミックインレー

上記は、セラミックインレーの症例写真です。銀歯の代わりに自然の歯に近い見た目のセラミックを詰めることでほとんど目立たなくなりました。銀歯により金属アレルギーを発症してしまった方の治療にも適しています。

ラミネートベニア

上記は、ラミネートベニアの症例写真です。ラミネートベニアは、歯の表面をほんの少しだけ削り、その上から薄いセラミックを貼り付ける方法です。色味を整えたり、すきっ歯を改善したりするのに向いています。

ダイヤモンドオーダーセラミック

上記は、ダイヤモンドオーダーセラミックの症例写真です。こちらも被せるセラミックの1種ですが、色調の選択肢が無数にあり、歯のかたちもオーダーメイドで作成可能となっています。

前歯のみのセラミック治療の治療期間

前歯のセラミック治療の期間は、施術内容により異なりますがおおむね2週間〜1か月で完了します。歯を動かす、マウスピース矯正やワイヤー矯正はおおむね半年〜3年程度かかりますが、前歯のみのセラミック治療は比較的短期間で治療を終えることができます。

前歯のセラミック治療の治療の流れ

セラミック治療は、歯の悩みごとや理想のかたちなど、おきゃくさまのご要望をお伺いし、お口の状態を確認したり咬み合わせを確認したりしながら下記の流れで進めていきます。

無料カウンセリングと治療計画

まずは、歯や歯並び、見た目に関する悩みごとをお伺いします。歯の色を白くしたい、形を整えたいなど、何でもご相談ください。セラミック治療に関する疑問や不安などにもお答えします。

お口の状態の検査

カウンセリングを終えたあと、お口や歯の健康状態をチェックします。虫歯や歯周病がないか、治療の跡、咬み合わせや歯並び、あごの関節の状態などを確認します。お一人おひとりに合った治療を提供するためには、現在の状態を確認することはとても重要です。

ドクター・カウンセラーとのカウンセリング

カウンセリングでお伺いした内容と検査結果を鑑みて、治療の方針をご提案します。その際に、治療にかかる料金も必ずお伝えしています。治療開始前に料金をご確認いただけますのでご安心ください。

歯の周りを削り 咬み合わせや形を確認

被せるセラミック治療では、セラミックの歯を上から被せられるように、土台に必要な部分以外を削ります。

根っこの治療(必要な場合)

セラミックの歯はもともとの歯のうえに固定するため、歯の根っこが十分にない場合は治療が必要です。土台をあらたに作成するケースもあります。

仮歯の装着

歯を削り土台が整ったあとは仮歯を装着し、歯のかたちや咬み合わせに問題がないかを確認します。仮歯といっても違和感のないように施術しますので、ひと目見て仮歯とわかるようなことはありません。

型取り

本番の歯を作成するための型取りをします。このタイミングで、作成する歯の色や希望するかたちの最終決定をしていただきます。

セラミックの本歯を装着(1週間~10日後)

本番の歯ができあがり次第、装着して色やかたち、咬み合わせなどの確認をしていただきます。修正する点がない場合は仮歯を外し、本番の歯を装着して治療完了となります。

よくある質問

セラミックの歯の寿命は?

セラミックの歯は一般的に、少なくとも10年は品質が保たれるといわれています。一方、銀歯の寿命は5年といわれており、セラミックの歯は銀歯の倍の寿命があることがわかります。

セラミック歯も銀歯も、長持ちさせるためには日々の口腔ケアがとても大切です。また、定期検診を受けて口内の状態をチェックすることもセラミック歯の寿命を延ばすことに役立ちます。

一般的な本数の目安は?

治療する本数の目安は、口を開けた際によく見える歯の本数が基準となります。そのため上前歯の6〜8本をセラミックの歯にするケースが多いです。また、周囲の歯に馴染むように色味を調整して2本〜4本の治療をすることも可能です。

前歯と奥歯で値段が変わるのか?

セラミックの治療は、歯1本あたりの費用目安はありますが部位によって値段が変わります。特に前歯は機能性だけでなく見た目の美しさも求められるため、形や色味を細かく調整するぶん値段が高くなる傾向にあります。

まとめ

前歯に関する悩みごとを短期間で改善するにはセラミック治療が有効です。歯を動かす矯正治療と比較して短期間で完了するため治療にかかるストレスが少ないといったメリットがあります。

一方で、セラミックを被せる治療はもともとの歯を削るため歯の寿命を縮めてしまう可能性があることも否定できません。メリット・デメリットをよく理解したうえで治療を受けることが大切です。

※本記事の内容は公開時点の情報であり、実際のメニュー名や金額とは異なる場合がございます。最新の情報については当院までお問い合わせください。